芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
フッと笑いながら、自分の親指を唇にあてて。
「……どーしよっか。
このままここにしてもいい?」
今度はその親指をわたしの唇にグッと押し付けて。
「ん……っ、ぅ……」
「依茉の唇やわらかいね。
……ほんと、ますます欲しくなる」
ぜったい流されちゃいけないって。
頭の中で危険信号が点滅してるのに。
悝世の甘すぎる言葉と刺激が、それをぜんぶ取っ払ってしまうから。
「抵抗しないなら……我慢とかしないよ」
でも、ほんのわずか。
残っていた正常な理性が働いた。
「ま、待って……っ」
「……なに?」
「普通は、幼なじみにこんなことしないよ……っ」
とっさに出てきた、ずっと思っていたこと。
まさかこのタイミングで口にするとは自分でも思っていなくてびっくりした。