芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



頬や首筋、おでこやまぶたに
たくさん降ってくるキス。


「ん……っ、」


でも、ぜったい唇は外して。


わざとらしく音をチュッと立てて
じらすような触れ方。



「はぁ……っ、やだ、悝世……っ」


なんでかわかんないけど
少し息が乱れてくる。




「依茉が見せる可愛いところもぜんぶ俺が独占したいし、依茉のぜんぶ俺のものにしたくて我慢してんのに」


「っ、」



「依茉以外の子なんていらない」



ほんとにずるい。
そうやって期待させるだけさせといて、"好き"の2文字をくれないんだから。




いつまでもこうやって、幼なじみに縛られた関係が続くと思うと


少し……ううん、すごく胸が苦しくなるのに。




「…… だから依茉も俺だけを求めてよ」



悝世の甘い独占欲に、
これ以上何も言えなくなって、いつまでも幼なじみを超えられない。

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