雪の訪問者
僕の名前を、知っている?

「あ、はい、そうですけど…」

あれ、こんな美人、俺の知り合いにいたかな?

頭の中で、記憶のファイルをパラパラと繰ってみる

多分、緊張した面持ちの僕に反して、パッと明るい笑顔を浮かべた彼女

「ああ、やっぱり岩田くんだ!

うわあ、本当に、お巡りさんになったんだね!すごいじゃない!」

彼女は…制服姿の僕を見て、無邪気に驚きと賞賛の声を上げる

彼女は、僕を知っている

必然的に、僕は彼女が誰か、思い出さなければならない状況に陥った

思い出さなければ…

彼女に失礼だ

早く、早く、誰だっけ…?

記憶のファイルをパラパラ…特に、今までに僕が知っている美人、美人と…

昔のイメージを呼び返してみる
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