社内恋愛
春の訪れ
春。それは出会いと別れの時期。
三木朱里(みきあかり)は定時後のデスクの上で社内報を見ながらしみじみとそれを感じていた。
朱里は不動産会社に勤める27才のOL。
今回自分の異動はなかったが、仲の良い同僚と尊敬する先輩が本社に異動し、大好きなおじいちゃん上司は定年まで勤め上げて引退された。
(はぁ~。この時期いつも寂しいな)
しんみりとしていると、後ろのデスクから椅子ごと移動してきた同期の真央がポンッと肩を叩いてきた。
「気持ち分かるよ朱里~。進藤先輩いないと活気付かないし、沙織ともランチ行けなくなったしさぁ」
「だよねぇ。またご飯行くけど、仕事の相談も聞いて貰ってたから、気持ち的にね」
朱里がハァ。と溜息を溢すと、でもさ!と真央がパソコンの画面を指差す。
「ほら、新しい人も入ってくるし!残ったうちらはバリバリ教えていかないと!」
「うん…そう、そうだよね!4月は仕事も増えるし。おし、頑張ろう‼」
二人しかいないオフィスでハイタッチをすると、パァン!と良い音が響いた。
「ちなみに?次誰が来るんだろ?進藤先輩の後任は…、長崎さんだ!おぉ~やり手の人じゃん!頼もしい!」
「えーっと沙織の後任は…」
朱里はカチカチとマウスを動かす。目あての欄はすぐに見付かった。
「戸崎歩さん?なんて読むんだろ?とさきあゆむ、かな。真央、知ってる?」
「名前だけ知ってるよ。会議資料作った時に打ち合わせメンバーに名前があったな。あの時に研修中だったみたいだから多分後輩だよ」
「後輩!?やった!後輩少なかったから嬉しい!女の人?」
「男の人。人が変わるとガラッと社内の雰囲気も変わりそうだね」
変わる社内に戸惑いもあるが、まだ見ぬ後輩に朱里はわくわくと胸を踊らせた。
「沙織の後任ってことは朱里と隣のデスクだね。メンバー変わって寂しいけど、新メンバーで頑張ろ!」
オォー!っと拳を上げて、二人は夜のオフィスで新年度に向けて英気を養った。
三木朱里(みきあかり)は定時後のデスクの上で社内報を見ながらしみじみとそれを感じていた。
朱里は不動産会社に勤める27才のOL。
今回自分の異動はなかったが、仲の良い同僚と尊敬する先輩が本社に異動し、大好きなおじいちゃん上司は定年まで勤め上げて引退された。
(はぁ~。この時期いつも寂しいな)
しんみりとしていると、後ろのデスクから椅子ごと移動してきた同期の真央がポンッと肩を叩いてきた。
「気持ち分かるよ朱里~。進藤先輩いないと活気付かないし、沙織ともランチ行けなくなったしさぁ」
「だよねぇ。またご飯行くけど、仕事の相談も聞いて貰ってたから、気持ち的にね」
朱里がハァ。と溜息を溢すと、でもさ!と真央がパソコンの画面を指差す。
「ほら、新しい人も入ってくるし!残ったうちらはバリバリ教えていかないと!」
「うん…そう、そうだよね!4月は仕事も増えるし。おし、頑張ろう‼」
二人しかいないオフィスでハイタッチをすると、パァン!と良い音が響いた。
「ちなみに?次誰が来るんだろ?進藤先輩の後任は…、長崎さんだ!おぉ~やり手の人じゃん!頼もしい!」
「えーっと沙織の後任は…」
朱里はカチカチとマウスを動かす。目あての欄はすぐに見付かった。
「戸崎歩さん?なんて読むんだろ?とさきあゆむ、かな。真央、知ってる?」
「名前だけ知ってるよ。会議資料作った時に打ち合わせメンバーに名前があったな。あの時に研修中だったみたいだから多分後輩だよ」
「後輩!?やった!後輩少なかったから嬉しい!女の人?」
「男の人。人が変わるとガラッと社内の雰囲気も変わりそうだね」
変わる社内に戸惑いもあるが、まだ見ぬ後輩に朱里はわくわくと胸を踊らせた。
「沙織の後任ってことは朱里と隣のデスクだね。メンバー変わって寂しいけど、新メンバーで頑張ろ!」
オォー!っと拳を上げて、二人は夜のオフィスで新年度に向けて英気を養った。