俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「向こうの長椅子で勉強してもいいでしょうか……?」
美麗な顔が至近距離にあると思えば振り向けず、手元の本に向けてそのように問いかけたら、アリスが逃げないよう、腹部に片腕を回された。
「駄目だ。このまま続けろ」
「で、ですが、気が逸れてしまって、読めないんです……」
動悸が治まらず、乙女心も刺激されて仕方ない。
アリスが胸を高鳴らせていることは、騎士団長もわかっているだろう。
後ろにクスリと余裕のある笑い声がした。
アリスの背中を抱き、頬が触れそうなほどに顔を寄せる騎士団長が、やけに艶めいた声で叱る。
「なにに気が逸れると言うんだ。男として生きていく覚悟があるんだろ? 俺たちは男同士なのだから、心を乱す必要はあるまい」
(男同士だったら、こんなにくっつかないでしょう。ロイ騎士団長の意地悪……)
アリスが男を演じ続けるための特訓という名目で、過度に体を寄せられることが、これまでに数回あった。
赤面するアリスの反応を面白がるように距離を詰め、腕や頬に触れて、色気を隠さない瞳で見つめてくるのだ。
美麗な顔が至近距離にあると思えば振り向けず、手元の本に向けてそのように問いかけたら、アリスが逃げないよう、腹部に片腕を回された。
「駄目だ。このまま続けろ」
「で、ですが、気が逸れてしまって、読めないんです……」
動悸が治まらず、乙女心も刺激されて仕方ない。
アリスが胸を高鳴らせていることは、騎士団長もわかっているだろう。
後ろにクスリと余裕のある笑い声がした。
アリスの背中を抱き、頬が触れそうなほどに顔を寄せる騎士団長が、やけに艶めいた声で叱る。
「なにに気が逸れると言うんだ。男として生きていく覚悟があるんだろ? 俺たちは男同士なのだから、心を乱す必要はあるまい」
(男同士だったら、こんなにくっつかないでしょう。ロイ騎士団長の意地悪……)
アリスが男を演じ続けるための特訓という名目で、過度に体を寄せられることが、これまでに数回あった。
赤面するアリスの反応を面白がるように距離を詰め、腕や頬に触れて、色気を隠さない瞳で見つめてくるのだ。