俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「僕はわけあって行くところがないんです。雑用でもなんでもしますから、騎士団に置いてください。お願いします!」
「やめろ、放せ」
「嫌です。いいと言ってくれるまで、絶対に放しません!」
腕に力を込めて縋りつけば、周囲の騎士たちに失笑された。
アリスとしては頼みの綱を切らすまいと必死なのだが、事情を知らぬ者たちにすれば、駄々をこねる子供のように見えるのかもしれない。
「笑うな」
騎士団長が低い声で諌めると、ピタリと静まる。
こういう組織は上下関係が厳しいのだろう。
和気あいあいとした雰囲気は不必要なようだ。
「お前、名は?」
「アリ……アリュース・ウッド、十五歳です。コックス村から来ました」
「ウッド姓の者は複数名いるから、今後、お前のことはアリュースと呼ぶ」
「えっ……?」
“今後”という言葉に、胸が高鳴る。
消えかけていた希望の光が戻ってきたような心持ちで、アリスは騎士団長を見上げた。
冷たそうな印象もする美麗な口元が、ニヤリとつり上がる。
「やめろ、放せ」
「嫌です。いいと言ってくれるまで、絶対に放しません!」
腕に力を込めて縋りつけば、周囲の騎士たちに失笑された。
アリスとしては頼みの綱を切らすまいと必死なのだが、事情を知らぬ者たちにすれば、駄々をこねる子供のように見えるのかもしれない。
「笑うな」
騎士団長が低い声で諌めると、ピタリと静まる。
こういう組織は上下関係が厳しいのだろう。
和気あいあいとした雰囲気は不必要なようだ。
「お前、名は?」
「アリ……アリュース・ウッド、十五歳です。コックス村から来ました」
「ウッド姓の者は複数名いるから、今後、お前のことはアリュースと呼ぶ」
「えっ……?」
“今後”という言葉に、胸が高鳴る。
消えかけていた希望の光が戻ってきたような心持ちで、アリスは騎士団長を見上げた。
冷たそうな印象もする美麗な口元が、ニヤリとつり上がる。