俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
外の任務から戻った騎士団長が訓練場に現れると、騎士たちは皆、敬礼の姿勢を取るが、医師長が訓練場に現れてもそうはならない。
騎士団の中で最高位にいるのは、やはりロイ騎士団長だろう。
それならばなぜファーストネームで呼び捨てできるのかと不思議に思っていたら、「話したいことがあるんだ。ついてきて」と医師長に連れ出された。
訓練場を出て、詰所の裏へ回る。
高い城壁に沿って木々が植えられ、木陰は涼しげだ。
そこに果物が入っていたような木箱がひとつ置かれていて、腰掛けなさいと指示された。
座る際にまた、筋肉の痛みに呻いてしまえば、木の幹に背を預けて立つ医師長が眉を下げる。
「厳しくしてすまないね」
「いえ、医師長のせいではないです。ロイ騎士団長が意地悪して、僕を追い出そうと……あっ」
優しくしてくれる人を謝らせてはいけないという焦りから、つい本音を漏らしてしまい、アリスは慌てた。
自分の口を手で塞いでも遅く、叱られそうな予感に身を縮こまらせる。
けれども医師長は、プッと吹き出して笑っていた。
「医師長……?」
騎士団の中で最高位にいるのは、やはりロイ騎士団長だろう。
それならばなぜファーストネームで呼び捨てできるのかと不思議に思っていたら、「話したいことがあるんだ。ついてきて」と医師長に連れ出された。
訓練場を出て、詰所の裏へ回る。
高い城壁に沿って木々が植えられ、木陰は涼しげだ。
そこに果物が入っていたような木箱がひとつ置かれていて、腰掛けなさいと指示された。
座る際にまた、筋肉の痛みに呻いてしまえば、木の幹に背を預けて立つ医師長が眉を下げる。
「厳しくしてすまないね」
「いえ、医師長のせいではないです。ロイ騎士団長が意地悪して、僕を追い出そうと……あっ」
優しくしてくれる人を謝らせてはいけないという焦りから、つい本音を漏らしてしまい、アリスは慌てた。
自分の口を手で塞いでも遅く、叱られそうな予感に身を縮こまらせる。
けれども医師長は、プッと吹き出して笑っていた。
「医師長……?」