俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
医師長の口振りからすると、騎士団長を対等か、下に見ているような感じがする。
騎士団長は二十七歳だと他の騎士から聞いたので、医師長の方がひとつ年上だけれど、それだけの理由ではないだろう。
子供の頃のことをやけに詳しく知っていたのも、疑問である。
「あの、聞いてもいいでしょうか……?」
怖ず怖ずとふたりの関係性を尋ねれば、にこやかに微笑む医師長にサラリと言われる。
「父がハミルトン伯爵なんだよ。俺は四男で家督を継ぐことはできないし、家を出たんだ。エドガーはうちの使用人だったけど、一緒に育ったようなものだから、弟みたいな感覚でいる。然るべき場面では軽口を叩いたりしないよ。今は上官だからね」
「き、貴族なんですか……」
「一応ね」
医師長は以前から興味のあった医業の道へ進むことを決め、十七歳の時に王都へ出て、医学薬学を学べる学院へ入ったらしい。
普通は三年かかるところを、わずか一年で修学し終え、騎士団所属の医師となったそうだ。
そしてロイ騎士団長が、医師長の後を追うように入団したのが十八歳で、今のアリスと同じ歳のことだという。
騎士団長は二十七歳だと他の騎士から聞いたので、医師長の方がひとつ年上だけれど、それだけの理由ではないだろう。
子供の頃のことをやけに詳しく知っていたのも、疑問である。
「あの、聞いてもいいでしょうか……?」
怖ず怖ずとふたりの関係性を尋ねれば、にこやかに微笑む医師長にサラリと言われる。
「父がハミルトン伯爵なんだよ。俺は四男で家督を継ぐことはできないし、家を出たんだ。エドガーはうちの使用人だったけど、一緒に育ったようなものだから、弟みたいな感覚でいる。然るべき場面では軽口を叩いたりしないよ。今は上官だからね」
「き、貴族なんですか……」
「一応ね」
医師長は以前から興味のあった医業の道へ進むことを決め、十七歳の時に王都へ出て、医学薬学を学べる学院へ入ったらしい。
普通は三年かかるところを、わずか一年で修学し終え、騎士団所属の医師となったそうだ。
そしてロイ騎士団長が、医師長の後を追うように入団したのが十八歳で、今のアリスと同じ歳のことだという。