俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「俺と一緒にいたいんだって。エドガーはああ見えて、寂しがり屋なんだよ。可愛いところがあるだろ?」

ともに育った医師長からすれば可愛い弟分なのだろうが、アリスにとっては怖い上官である。

意地悪だという誤解は解けても、厳しくされている事実は変わらないのだ。

同意できずに曖昧に笑ってごまかそうとしていたら、急に真顔になった医師長に観察するような目を向けられる。

アリスの正面に来て腰をかがめた医師長が、アリスの肩に触れた。

その手を腕へと撫で下ろされ、アリスが戸惑っていると、訝しむように言われる。

「入団試験の時にも感じたけど、随分、華奢なんだよな。筋肉が発達していないだけじゃなく、骨も細いようだ。本当に十五歳? もっと下か……でも顔つきは十五より上のような気もするし……」

このままでは性別を怪しまれそうだと焦るアリスは、急いで立ち上がった。

「あ、あの、厠に行きたくなりましたので、これで失礼します。貴重なお話、ありがとうございました」

敬礼してから、逃げるように駆け出したが、「アリュース君、もうひとつだけ」と呼び止められてしまう。

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