俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
本当に親しい付き合いをしているのだと思いつつ、それならばなぜ呼び出されたのかと疑問が湧く。
顔を上げて騎士団長を見ると、怒っているような雰囲気は感じない。
濃い茶色の瞳にはオイルランプの火が映り、怪しく輝いていた。
美麗な青年と近距離で視線を交えたため、アリスの鼓動は跳ねる。
(こんな時に色気を感じるなんて、私ったらどうしてしまったの……)
今の自分は男だと心に言い聞かせ、平静を保とうと努力する。
アリスの頬の赤みに気づかない様子の騎士団長が、書類の束を整えつつ、淡々と言う。
「叱るつもりで呼んだのではないが、注意は与えておこう。お前が洗った後の皿が汚いと、苦情が出ている。もう少し丁寧にやれ。掃除もだ。廊下の隅に埃が溜まっていたぞ」
思ってもいない叱られ方をされ、アリスの目が丸くなる。
その後にはムカムカと腹が立って顔をしかめたくなったが、それに耐えて心の中で文句を言う。
(少しくらいの汚れがなんなのよ。料理をのせればまたベトベトになるんだし、いいじゃない。廊下の隅に埃って、私が掃除した後をチェックしてるの? 意地悪な姑みたいだっぺ!)
顔を上げて騎士団長を見ると、怒っているような雰囲気は感じない。
濃い茶色の瞳にはオイルランプの火が映り、怪しく輝いていた。
美麗な青年と近距離で視線を交えたため、アリスの鼓動は跳ねる。
(こんな時に色気を感じるなんて、私ったらどうしてしまったの……)
今の自分は男だと心に言い聞かせ、平静を保とうと努力する。
アリスの頬の赤みに気づかない様子の騎士団長が、書類の束を整えつつ、淡々と言う。
「叱るつもりで呼んだのではないが、注意は与えておこう。お前が洗った後の皿が汚いと、苦情が出ている。もう少し丁寧にやれ。掃除もだ。廊下の隅に埃が溜まっていたぞ」
思ってもいない叱られ方をされ、アリスの目が丸くなる。
その後にはムカムカと腹が立って顔をしかめたくなったが、それに耐えて心の中で文句を言う。
(少しくらいの汚れがなんなのよ。料理をのせればまたベトベトになるんだし、いいじゃない。廊下の隅に埃って、私が掃除した後をチェックしてるの? 意地悪な姑みたいだっぺ!)