俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
「炎症を抑え、痛みを和らげる作用のある薬草を溶かしたオイルだ。フランの薬はよく効く。きっと今夜は楽に眠れるだろう」
ふくらはぎに、とろりとしたオイルを垂らされる。
大きな手のひらで延ばされたそれは、肌から熱を奪うようにスースーとしていた。
薬草オイルが冷たいから、騎士団長の手が熱く感じられる。
その温度差が心地よく、つい気持ちを緩めたくなるが、男性に生肌を触られている恥ずかしさは消せない。
(太腿にもオイルを垂らされた……ああっ、下着を上にずらさないで。そんな付け根まで塗られたら、心臓が持たない……)
アリスが赤面して鼓動を高鳴らせていることは、騎士団長に伝わっていないようだ。
「入団試験の日に、帰る場所がないと言っていたな。なにがあった。親はいないのか?」
真面目な声で、そのように問いかけてくる。
「コックス村に両親と兄弟がいます。村を出たのは、ええと……」
デイブに嫁にされそうだったからとは言えず、性別がバレないよう、事情を少々変えて説明する。
ふくらはぎに、とろりとしたオイルを垂らされる。
大きな手のひらで延ばされたそれは、肌から熱を奪うようにスースーとしていた。
薬草オイルが冷たいから、騎士団長の手が熱く感じられる。
その温度差が心地よく、つい気持ちを緩めたくなるが、男性に生肌を触られている恥ずかしさは消せない。
(太腿にもオイルを垂らされた……ああっ、下着を上にずらさないで。そんな付け根まで塗られたら、心臓が持たない……)
アリスが赤面して鼓動を高鳴らせていることは、騎士団長に伝わっていないようだ。
「入団試験の日に、帰る場所がないと言っていたな。なにがあった。親はいないのか?」
真面目な声で、そのように問いかけてくる。
「コックス村に両親と兄弟がいます。村を出たのは、ええと……」
デイブに嫁にされそうだったからとは言えず、性別がバレないよう、事情を少々変えて説明する。