俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
小作農で生計を立てている家は貧しく、村長の屋敷に奉公に出ろと言われたが、村長の息子にはこれまで散々嫌な思いをさせられてきたため、承諾できずに村を飛び出したのだと。
王都に来れば簡単に職を得られると思ったのに、どの店にも雇ってもらえず困っていたら、騎士団員募集の張り紙を見つけたことも話した。
「両親と兄弟には申し訳ない気持ちもあります。でも、どうしても自分の人生を犠牲にしたくなかったんです。いつか給料を貯めて、親に届けにいきます。それで許してもらいたいと思っています」
それは嘘偽りのない、アリスの本心である。
嫌な相手との結婚を勧められたことに怒りはあっても、育ててもらった恩を感じている。
いつか恩返しをしたい。
見習いの今は給料をもらえないので、早く従騎士に昇格しなければと思っていた。
アリスの腕に薬草オイルを擦り込みながら、身の上話を聞いてくれた騎士団長は、低い声で「そうか」とだけ言う。
感想もなにもないあっさりした反応に、アリスは心配になった。
(もしかして、前々から騎士団に憧れていたというような理由を期待されていたのかな。答え方を間違えたみたい……)
王都に来れば簡単に職を得られると思ったのに、どの店にも雇ってもらえず困っていたら、騎士団員募集の張り紙を見つけたことも話した。
「両親と兄弟には申し訳ない気持ちもあります。でも、どうしても自分の人生を犠牲にしたくなかったんです。いつか給料を貯めて、親に届けにいきます。それで許してもらいたいと思っています」
それは嘘偽りのない、アリスの本心である。
嫌な相手との結婚を勧められたことに怒りはあっても、育ててもらった恩を感じている。
いつか恩返しをしたい。
見習いの今は給料をもらえないので、早く従騎士に昇格しなければと思っていた。
アリスの腕に薬草オイルを擦り込みながら、身の上話を聞いてくれた騎士団長は、低い声で「そうか」とだけ言う。
感想もなにもないあっさりした反応に、アリスは心配になった。
(もしかして、前々から騎士団に憧れていたというような理由を期待されていたのかな。答え方を間違えたみたい……)