俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
医師長は一度ベッドサイドを離れると、黄緑色の液体と氷が入れられたグラスを手に戻ってきた。
それをアリスに渡し、近くに木製椅子を寄せて腰掛ける。
「薬湯を冷やしたものだよ。消炎鎮痛、リラックス効果がある。苦みがあるから砂糖とレモン汁を加えてある。飲みなさい」
「はい、ありがとうございます」
それは言われたほど苦くはなく、むしろ爽快感ある甘みが美味しく感じられた。
喉が渇いていたので一気に半分を飲んで、ホッと息をつく。
足元側にある窓が開けられており、そよ風が夏の夕暮れ時の香りを運んできた。
医師長は組んだ足に両手を重ねて置き、微笑してアリスを見ている。
眼鏡の奥から青い視線がアリスの顔のあちこちに向けられているのに気づくと、観察されているような気分になり、なんとなく居心地が悪い。
グラスを下げて肩をすくめたら、医師長がクスリと上品に笑って、オレンジ色の淡い日の差す窓に目を逸らしてくれた。
「君がそれを飲む間に、昔話をしてもいいかな。十年以上前の、エドガーとの思い出話だ」
ここでロイ騎士団長のことをエドガーと呼ぶのは、医師長しかいない。
それをアリスに渡し、近くに木製椅子を寄せて腰掛ける。
「薬湯を冷やしたものだよ。消炎鎮痛、リラックス効果がある。苦みがあるから砂糖とレモン汁を加えてある。飲みなさい」
「はい、ありがとうございます」
それは言われたほど苦くはなく、むしろ爽快感ある甘みが美味しく感じられた。
喉が渇いていたので一気に半分を飲んで、ホッと息をつく。
足元側にある窓が開けられており、そよ風が夏の夕暮れ時の香りを運んできた。
医師長は組んだ足に両手を重ねて置き、微笑してアリスを見ている。
眼鏡の奥から青い視線がアリスの顔のあちこちに向けられているのに気づくと、観察されているような気分になり、なんとなく居心地が悪い。
グラスを下げて肩をすくめたら、医師長がクスリと上品に笑って、オレンジ色の淡い日の差す窓に目を逸らしてくれた。
「君がそれを飲む間に、昔話をしてもいいかな。十年以上前の、エドガーとの思い出話だ」
ここでロイ騎士団長のことをエドガーと呼ぶのは、医師長しかいない。