俺様騎士団長は男装女子が欲しくてたまらない〜この溺愛おかしくないですか?~
馬の調教中のエドガーの凛々しい乗馬姿や、沐浴室の掃除中の半裸の体の逞しさ、壁の燭台に火を灯して回る時の真剣な顔や、重い水桶を代わりに運んでくれる優しさなど、エドガーの日常のひとつひとつが若いメイドたちの話題に上がり、キャアキャアと賑やかであった。
声を潜めないその会話は、エドガーの耳にも入っており、彼としては随分、気恥ずかしい思いでいたようだ。
ある日、フランシスが自室で分厚い薬学の本を読んでいると、エドガーが掃除をしに入ってきた。
窓ガラスを拭きつつ「最近、暮らしにくくなった」とぼやくエドガーに、フランシスは本を閉じて笑った。
「人気があっていいことじゃないか。もっと喜んだら?」
「騒がれるのは苦手なんだ。喜べるかよ」
「うちのメイドは可愛い子がたくさんいるのに、もったいない。もしかして女の子に興味がないのか? 男色?」
フランシスは冗談で言ったのだが、エドガーは頬を赤くし、焦ったように否定する。
「違う、そんな趣味はない! 俺だって、いつかは恋人が欲しいとも思っている」
仲のよいふたりだが、これまで色恋について話したことはなかった。
声を潜めないその会話は、エドガーの耳にも入っており、彼としては随分、気恥ずかしい思いでいたようだ。
ある日、フランシスが自室で分厚い薬学の本を読んでいると、エドガーが掃除をしに入ってきた。
窓ガラスを拭きつつ「最近、暮らしにくくなった」とぼやくエドガーに、フランシスは本を閉じて笑った。
「人気があっていいことじゃないか。もっと喜んだら?」
「騒がれるのは苦手なんだ。喜べるかよ」
「うちのメイドは可愛い子がたくさんいるのに、もったいない。もしかして女の子に興味がないのか? 男色?」
フランシスは冗談で言ったのだが、エドガーは頬を赤くし、焦ったように否定する。
「違う、そんな趣味はない! 俺だって、いつかは恋人が欲しいとも思っている」
仲のよいふたりだが、これまで色恋について話したことはなかった。