シンフォニー ~樹
31

眠り続ける お祖父様を見ながら みんなが少しずつ 心の準備をし始める。

翔は コンビニの袋にいっぱい お茶やおにぎりを 買ってくる。


「長くなるから。少しでも 食べておいて。」

と言って みんなに 食べ物を配る。


みんなが小さく頷いて 食べ物を 口に入れる。
 

でも こんなに近くで 命が消えていく様子を 初めて見た恭子は なかなかショックから 立ち直れない。


渡されたお茶を 一口飲んで 小さくため息をつく。

お祖母様を見ると お祖父様の枕元で ずっと手を握っている。


その姿が切なくて また涙が出てしまう。
 


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