シンフォニー ~樹
「俺達、お祖父様って、優しかった思い出しかないけど お父さん達には 厳しかったの?」
樹が聞くと 父と智くんは 顔を見合わせる。
「理不尽に 怒られたことってないよな。子供の頃でも。」
と言う父に、
「うん。でも忙しくて あまり家にいなかったよね、小さい頃は。」
と智くんが答える。
「俺が お前たちと遊ぶ姿見て 羨ましいって言っていたな。」
父は樹と翔を見る。
「お袋には、頭が上がらなかったよね。何か弱みを 握られていたのかな。」
智くんが 懐かしそうな目で言う。
「お祖父さん達 看病したからじゃない お袋が。」
父と智くんは お祖父様の枕元で 樹達の知らない話しを続ける。