シンフォニー ~樹
恭子からの連絡を待つ間 樹も 自分の部屋の中を動かして 恭子を迎える準備をした。
いらない物を納戸にしまい 恭子の物を 置くスペースを作って。
「本当にすみません。恭子のことは 責任を持って守りますので。」
恭子を迎えに行った樹は ご両親に挨拶をして 家までの道を 恭子と歩く。
「ありがとう、樹さん。」
と可愛く微笑む恭子。
片手でスーツケースを引いて、片手で恭子の肩を抱く樹。
『俺は、恭子にメロメロだな』と思いながら。
「恭子が 強く言ってくれたから 今夜から一緒で 俺も嬉しいよ。」
恭子を抱く腕に 力を込めると 恭子は得意気に笑い
「そうだと思った。」と言う。
もうこの子のいない生活は、考えられない。