シンフォニー ~樹
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それからの絵里加は、可愛さの中に 恋する甘さがプラスされて 眩しいくらいに美しくなっていく。
以前と同じように 樹の家を訪れては お祖母様や母を 労わる絵里加。
「あれ、姫。デートじゃないの?」
母達とお茶を飲む絵里加に、樹は声をかける。
今までと同じように明るく。
従兄妹のお兄ちゃんとして。
「もう帰ってきたの。タッ君も お出掛けしないの?」
と可愛く微笑む絵里加。
「今日は 姫が来るかなと思って。家で待っていたんだよ。」樹が言うと、
「嘘ばっかり。偶然のくせに。」と口を尖らせる。
幼い表情が可愛くて 樹の心は 掻き乱される。