シンフォニー ~樹
車の運転の話しや、嫌いな教官の話しで 樹を笑わせてくれる恭子。
「決算が終わったら、指輪を買いに行こうね。」
お父さんとの 一つ目の約束は、守れた二人。
「本当に?ヤッター。」
恭子は 無邪気な声で喜ぶ。
「婚約指輪は、まだ先だけど。恭子の指に 俺の指輪を してほしいからね。」
樹が言うと、恭子は 甘く “うん” と囁いた。
これからは ほっぺではなく 本当のキスをするよ。
少しずつ、大人になるんだよ。
樹は心の中で呟く。
制服を脱いだ恭子を これから染めていく樹。
怖がらずに付いて来てほしい。
優しく、恭子のペースでいいから。