如月くんは私をひとりじめしたい
「如月っちー!今日は奢ってくれる?」
「無理、離れて」
如月くんとお昼を食べてたはずなのに、如月くんの友達が嵐のようにやってきた。
冷たくあしらってるけど、如月くんの友達なんだよね?
「如月っち、彼女いたんだ」
「うん」
「意外に地味だね」
そんなこと言われなくても知ってるよ。
いきなり如月くんは立ち上がって、その友達に詰め寄った。
「おい、お前。
僕の小春ちゃんのこと、地味って言った?どこが地味なの?超可愛いじゃん。綺麗な爪、透き通るような肌、美しい髪、どれをとっても可愛いに決まってるだろ?小春ちゃんはどの女子よりも可愛いし、綺麗だし、最高なんだよ。
まあ、お前みたいな奴にはこの可愛さが分からないのかもしれないんだけどさ。僕にとって、小春ちゃんは生き甲斐だから、地味とか言わないでくれる?」
そんなことを早口で言うもんだから、照れてしまった。
き、如月くん…。
私のこと、そんな風に言ってくれて嬉しい。
「あー、ごめん!如月っちは彼女大好き人間だもんね!」
「彼女じゃなくて、小春ちゃん!
分かった?」
「うん、分かったよ!」
友達は私の手を握った。
「俺は笹山なお!よろしくね、小春ちゃん!」
「はい!よろしくお願いします」