如月くんは私をひとりじめしたい

「ちょっと移動しよっか」

「きゃっ」


ひょいっと如月くんに持ち上げられて、私はそのままどこかに連れていかれた。

やっと降ろされたかと思うと、すぐに如月くんはどこかに行ってしまい、完全に部屋に閉じ込められてしまった。

辺りを確認しようとも、目隠しされたままで見えない。

しばらくして如月くんが戻ってきた。

はあ、やっと解放されると思ったのはつかの間、すぐに持ち上げられてもとの場所に移動させられた。


「手荒なことばっかりしてごめんね。はい、もういいよ」


ようやく目隠しが外された。

目の前に広がっていたのは、豪華な料理と飾り付けだった。

今日は如月くんの誕生日なのに、なんで自分で用意してるの?

そこは疑問に思ったが、あえて突っ込まないようにした。

これも如月くんの計画の一部なのかもしれないと思ったから。

それに今日は如月くんに私を1日あげる日。

とやかく言うのはどうかと思った。

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