如月くんは私をひとりじめしたい

「改めて、如月くんお誕生日おめでとう」


如月くんのために選んだプレゼントを渡した。

選んだのはオルゴール。

使い道は特にないけど、開けたらクラシックが流れて、中に入ってる夫婦の人形が踊るんだ。

これを開けたとき、私を思い出して寂しさを紛らわして欲しいな、なんて。

如月くんを見ると、きょとんとしていた。


「や、やっぱりダメだった?ごめん、また改めて渡すから……」

「小春ちゃん!!」


如月くんがすごい勢いで抱きついてきた。


「もう好きだよ……。これを見て、小春ちゃんを思い出すからね!」

「うん!」


気持ち、伝わったのかな?

如月くんのためになったのかな。

来年も再来年も如月くんが悲しまないように。

如月くんがずっと笑っていてくれるように。


「小春ちゃん、すっごくキスしたいんだけど」

「いいよ」


如月くんはそっと唇を重ねてきた。

しばらくすると、舌が入ってきて、水音を立てながら絡めてくる。

でも、いつもより優しくて、甘いキスだった。
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