如月くんは私をひとりじめしたい

如月くんは最近、素を見せてくれているような気がする。

前みたいに完璧イケメンじゃない、男の子な如月くん。

イケメンだということには変わりないけど、喜怒哀楽が出てきたなって思う。

私の前で遠慮しなくなったってのは嬉しいかな。


「私はそういう如月くん、大好き」

「っ、僕もだよ」


もう一度、顔を見合わせてキスをする。

深さは増していき、私は如月くんに押し倒された。


「……っ、如月っ……く、ん」

「ん?」

「……手加減、して…」

「キスしかしないんだし、別にいいじゃん?」

「私っ、息、が…続かないっ……」

「鼻呼吸だって言ったじゃん?そこは我慢してよ。これ以上進めない僕に免じてさ」

「……これ以上、とか…あるのっ…?」

「そういうとこも愛してる」

「………んんっ!?」


キスの雨は止むことを知らず、深く甘くなっていく一方だ。

唇を時々甘噛みされたり、首にキスされたり、如月くんはやりたい放題。

でもそれを拒むことは出来なかった。

ただただ愛おしくて、これを受け入れ続けた。

だんだん意識が遠退いていく。

私はそっと目を閉じた。
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