如月くんは私をひとりじめしたい

「それは忘れて!!」

「いいじゃん」

「よくない!」


寝てるときにまじまじ見られたかと思うと、恥ずかしいんだから!!


「ねえ、小春ちゃん」

「うん?」

「僕ね、誕生日は幸せな家庭が行うバカみたいな行事だって思ってたんだ」

「うん」

「僕の家は変わってるからお祝いされたことなんてなかった。誰かにケーキを貰うことも、プレゼントを渡されることも、愛されることも。でも、小春ちゃんは全部してくれた。本当にありがとう」


自然と涙が出てきた。

如月くんに気持ちが伝わって、誕生日を祝われるっていう嬉しさを知って貰えて。

嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
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