如月くんは私をひとりじめしたい
それを受け入れる私はどうかしてる。
少し前の私に教えてあげたい。
あなたは如月くんのことが大好きになるんだよって。
「小春ちゃん、変わったね」
「へ?」
「なんか、キスも上手くなったし」
キスが上手くなるって何?
さっきも如月くんに言われたけど、慣れてくると上手くなるもんなの?
私の頭はパニック状態。何が上手くて何が下手なのかも分かってないのに、そんなこと言われたら余計に考えてしまう。
い、今までの私ってキス下手だったんだ…。
キスが下手な私と如月くんは何回もキスをして不快じゃなかったかな?
もっと、キスの勉強をしていれば……。
と後悔が出てきた。
「あ、前までの小春ちゃんのキスが下手だったとは言ってないよ!?初々しくて可愛いとは思ってたけど、決して下手とは…!」
もう、下手って言ってるじゃん。
「リベンジする!」
「え、なんの?」
「キスのリベンジする!!」
「こ、小春ちゃん?どうしたの?」
「だって、私、下手だったのでしょ?今はそうじゃないんでしょ?それなら今から如月くんとキスするもん!」
「僕はいいけど、小春ちゃんがしてくれるの?」
「うん!」
だって悔しいんだもん。
下手だと思われていたこともそうだし、如月くんが満足してないのだと思うと。