如月くんは私をひとりじめしたい

お母さんは限界が来たのか、そんな如月くんを見てついに大泣きした。


「ごめんなさい、あなた。紫苑をたくさん傷付けて。私、自分のことしか考えてなかった。自分が傷付けたくないからって紫苑のこと傷付けた。ごめんなさい、本当にごめんなさい」


如月くんはそれを見て笑っていた。

でも、無理して笑っているようで見てるこっちが辛かった。


「何でだろう。母さんのこんな姿見れて嬉しいはずなのにちっとも嬉しくない。僕、おかしくなったかも」

「違うよ。如月くん、苦しいんだよ。自分の大切な人、お母さんが傷付いてるから。心が痛いんだよ」


私は如月くんを見て、ありったけの笑顔を向けた。

如月くんは涙を拭いながら、私の瞳をしっかりと捉えていた。