如月くんは私をひとりじめしたい
甘すぎるよ、如月くん。

「邪魔者は消えたな」

「き、如月くん……」

「あ、ごめん。つい本音が…」


私は如月くんの頭を撫でてから、涙を拭った。


「本音、じゃないでしょ。お母さんと話せてよかったね」

「…まあね。………小春ちゃんありがとう」


如月くんは私を見てそう言った。

違う。私が何かしたわけじゃない。

全部、如月くんが自分でやったんだよ。


「私は何もしてないから。話したのは如月くんじゃない」

「そうだけどさ、向き合う気にさせてくれたのは小春ちゃんだし…」

「最終的には自分の力じゃん?私は如月くんがお母さんと本音で語り合えてて嬉しいよ」

「……そうだといいな」


如月くんはふにゃっと笑った。

すごく可愛い。抱きしめたい。

そういう感情にかられて、気付いたら如月くんを抱きしめてた。


「あ、ごめん…なんか体が勝手に……」

「……っ」


如月くんは私を抱きしめ返してくれた。
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