如月くんは私をひとりじめしたい
私は安藤小春。
コンプレックスである栗色の髪の毛を一つに束ね、いつもスッピン。
美人でもなければ、学校のリーダーでもない、比較的目立たない存在。
いわゆる地味女である。
男子からモテるはずもなく、今日もひっそり過ごしている。
「安藤さん、如月くんが呼んでるよ」
「……え?」
如月くんは学校イチ、モテる男子で女子からすごくモテている。
そんなイケメンくんが私に何か用でもあるのかな?
仕方なく、教室の入り口に行った。
「ちょっと、いい?」
「あー、うん」
周りから悲鳴やら、ひがみやら聞こえてくる。
私だって、如月くんと話したくないんだけど!!