如月くんは私をひとりじめしたい
「ごめんね、小春ちゃんの反応が面白すぎてからかっちゃった。僕だって分かってはいるんだよ。でも、可愛い小春ちゃんの前じゃ理性がどうも利かなくてね」
「可愛くないから…」
そう言うと、如月くんは強く抱きしめてきた。
「もういい加減認めなよ。小春ちゃんは誰がなんと言おうが僕にとって最高に可愛い女の子だってこと」
「で、でも、そう言われたって…」
「まあ、分かんなくても仕方ないよね。そりゃもちろん、いつもの小春ちゃんは最高に可愛いよ。でもね、」
如月くんの吐息が耳にふっとかかった。
その瞬間、ぞくぞくっとしてなんとも言えない恥ずかしさに襲われた。
それに追い討ちをかけるように如月くんは優しい声で囁いた。
「…僕といるときがもっとずっと可愛いもん」
「…っ」
如月くんは面白そうに私の顔を覗き込んできた。
「感じちゃった?まあ、そうだよね。耳は感じやすいからね」
「~~~~!!もう、ばかっ!!」
涙目になりながら如月くんから離れた。