如月くんは私をひとりじめしたい
「小春ちゃん、お風呂先に入りたい?後に入りたい?」
あの後、2人で恋愛映画を観ていた。
私がずっと前から観たいと思っていたものを何故か如月くん知っていて、それを観させてくれたのだ。
まあ、なんで知っていたかはこの際触れないでおこうと思う。
如月くんはエンディングが丁度始まるタイミングでそう言った。
「えっと、どっちでもいいけど」
前と後で何か違いでもあるのかな。
そんなに変わらないと思うけど。
「じゃあ、先入ってきなよ。僕はちょっとやることあるから、出たら僕の部屋にいてね」
「分かった」
洗面所に行くと、ふかふかのタオルが用意されていた。
すごい!こんなふかふかのタオル、ホテルでしか見たこと無いよ!!
服を脱いでおそるおそるお風呂に入ると、薔薇のような香りの入浴剤の匂いがした。
それから淡々と洗っていたのだが、あることに気づいた。
そういえばこのシャンプーとリンスって如月くんが使っているやつだよね?