如月くんは私をひとりじめしたい

白い湯船に浸かりながら、髪の匂いを嗅いでみた。

…如月くんの匂いがする。

って、私、すごい変態みたいじゃん!?

やめよう、こんなこと考えないでおこう。

お風呂を出て、ふかふかのタオルで髪を拭きながら、上品な花柄のパジャマを着た。

このパジャマは一番可愛くて気に入っている。

如月くんの家にお泊まりするなら、これしかないって思ってたお気に入りのもの。

どんな反応してくれるかな。

ワクワクしながら髪の毛を乾かし、如月くんの部屋に行った。

部屋には如月くんはいなかった。

すると、ノック音が聞こえてきた。


「小春ちゃん、じゃあ僕もお風呂入ってくるね」

「うん」


なんでわざわざドア越しに話すか分からなかったが、そう返事をした。

しかも如月くん、この部屋にいなかったぽいし、一体今まで何やってたんだろう。

それにしてもこの部屋、本当になんにもない。

如月くんはマンガを読んだり、ゲームとかしている感じではない。

一体この家で何してるんだろう。

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