如月くんは私をひとりじめしたい

何となくだが、他に部屋があって、そこを頻繁に使っているような気がする。

この家は一軒家なので広いし、部屋が何個かある。

リビングとこの部屋だけを使っているとはどうしても考えられなかった。

まあ、普通の人なら2部屋だけで生活してるって言っても全然分かるけど、如月くんだしな。

だって、前来たときに乱雑に置かれていた物騒な物の影も形もこの部屋にはないようだった。

多分、使っているであろう他の部屋にあるんだろうけどね。

そうこう考えているうちに如月くんの足音がした。

出てきたっぽいな、どういう反応してくれるかな。


「おまたせ…」

「うん…」


如月くんは紺色のパジャマを来ていた。

か、かっこいい…。

思わず赤くなってしまって、やられたと思った。

如月くんは如月くんで私を見た瞬間、赤くなって可愛いね、と言ってきた。

そうは言うけど、こちらを全く見てくれない。

何か悔しくて、ドアのところで固まっている如月くんの前に立った。
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