如月くんは私をひとりじめしたい

「そーゆーの好きなの?」

「うん。よくこのシリーズ読むから」

「ええ、如月くんでもまんが読むんだ」

「僕をなんだと思ってるの?普通にそれぐらい読むよ」


そうだよね。

いくら如月くんでも趣味がないってわけじゃないもんね。


「小春ちゃんのはやけに純愛もの読んでるんだね」

「うん。私、小さい頃からヒロインが一途に愛される話が大好きで、純愛小説とか読んじゃうんだよね」

「そっかそっか。じゃあ、叶って良かったね」

「…うん」


確かに叶ってるかも!

そんなこと言われるまで気づかなかったよ。

私はまんがのヒロインみたいに可愛くはないけど、もしかしてもしかしたら如月くんのヒロインになってたり、なんて。

って、私、すごい恥ずかしいこと考えちゃった。

如月くんはにこっと笑いかけてきた。


「小春ちゃんは僕のヒロインだから安心してね」

「………ふぁ、はい」


絶対心読んだよね!?

私、そんな分かりやすい顔してたかな。

< 220 / 226 >

この作品をシェア

pagetop