如月くんは私をひとりじめしたい
「そーゆーの好きなの?」
「うん。よくこのシリーズ読むから」
「ええ、如月くんでもまんが読むんだ」
「僕をなんだと思ってるの?普通にそれぐらい読むよ」
そうだよね。
いくら如月くんでも趣味がないってわけじゃないもんね。
「小春ちゃんのはやけに純愛もの読んでるんだね」
「うん。私、小さい頃からヒロインが一途に愛される話が大好きで、純愛小説とか読んじゃうんだよね」
「そっかそっか。じゃあ、叶って良かったね」
「…うん」
確かに叶ってるかも!
そんなこと言われるまで気づかなかったよ。
私はまんがのヒロインみたいに可愛くはないけど、もしかしてもしかしたら如月くんのヒロインになってたり、なんて。
って、私、すごい恥ずかしいこと考えちゃった。
如月くんはにこっと笑いかけてきた。
「小春ちゃんは僕のヒロインだから安心してね」
「………ふぁ、はい」
絶対心読んだよね!?
私、そんな分かりやすい顔してたかな。