如月くんは私をひとりじめしたい

「はい、着いたよ」



しばらくすると、如月くんがそう言った。

どこなんだろう。

階段とかも無さそうだし、明るいから外だよね。

私の予想はあそこだと思うんだけどな。



「目隠しを取るよ」

「うん」


目隠しを外されると、やはり思っていたところだった。


「ここって、やっぱり初めてデートした時来た教会だよね!」

「うん、そうだよ」


目の前には私の大好きな教会があった。

白色の壁で、大きなステンドグラスが特徴の教会。

そして何より、如月くんとの思い出の場所。

そんな素敵な場所に如月くんは再び連れてきてくれたのだ。


「ありがとう。ずっともう一回行きたかったんだ」

「ううん。僕も行きたかったから」


如月くんの手をぎゅっと握って、早く入るよう催促した。

私はどうしてもこの教会の中が見たいのだ。

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