如月くんは私をひとりじめしたい


「小春ちゃんって呼んでいい?」

「えっ!?、あ。はい、どうぞ……」


そんな風に言われるの初めて。


「小春ちゃんって、僕が初めてのカレシ?」

「うん」

「よかった!
もし、初めてじゃなかったら元カレを潰しに行かなきゃいけなかったし、手間が省けたよ!」


なんか、すごいこと聞いた気が……。


「行くよ、授業に遅れるから」

「あ、うん」


如月くんと付き合うのかぁ。

あんまり想像出来ないな。





「ねえ、どういうこと?
なんで如月くんと付き合うっていう展開になるわけ?」


戻ってきてすぐ、女子たちに囲まれた。

つまり、さっきのを見てたってこと?


「あ、の……えーと、」

「まさか告白されたとでも言うんじゃないでしょうね?」


はい、まさにその通りです。

というか、見てたんじゃないの?


「何か言ったらどうなの?」

「告白されました…」

「はあ!?あんたみたいなブスに告白するわけないじゃん!虚言、言ってんじゃないわよ!!」


虚言なんて言ってない。

真実しか言ってないのに。


「ねぇ、僕のカノジョをブス呼ばわりするのやめてくれないー?」


教室へ戻ったはずの如月くんがなぜか目の前にいた。


「如月くん……」


彼はニコッと笑顔になったあと、私を抱き寄せた。


「ほら、これで満足?
小春ちゃんに手出しするやつは男でも女でも許さないからね」


殺気立った言い方で教室中が静まり返った。


「じゃ、また後でね」


私の頬にキスすると、教室を出ていってしまった。

私は頬を両手で押さえ、床に座り込んだ。

今、キスされた…。

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