如月くんは私をひとりじめしたい

「そろそろ行こうか」

「うん…」


私は回るとかそれどころじゃないぐらいパニックになっていた。

だって、キスマークが見えるんだもん。

はっきりと。

遠くから見たらどうか分からないけど、私にははっきり見える。


「如月くん…」

「ん?」

「あの、どこに行くの?」

「どこだろうね」


如月くんは曖昧な答え方した。

またキスマークつけられるのかな!?

もうちょっと、あの体勢だけは勘弁して欲しい…。


「あ、如月くん!ミスターコンがあるから来て!」


ミス、ミスターコンの実行委員が如月くんを呼びに来た。

もうそんな時間か。


「でも小春ちゃんと回る約束が…」

「カノジョも連れてきていいから早く!」

「私もついてくからね?」

「分かったよ…」


ミスターコン、本当は見たくないけど委員の人が困っちゃうもんね。

暗い気持ちを隠して、如月くんについていった。
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