如月くんは私をひとりじめしたい
「小春ちゃん、おはよう」
「おはよう」
如月くんはいきなり手を繋いできた。
私は驚いて、パッと離してしまった。
「…ごめん。いきなり過ぎたね」
「経験不足でごめんなさい…」
「ゆっくり慣れてくれればいいから。
小春ちゃんは無理しないでね」
「うん…」
私が経験豊富な女子だったら、如月くんを困らせたりしなかったんだろうな。
「見て、カワセミ」
「ほんとだ。可愛いね」
如月くんに笑いかけると、微笑んでくれた。
「小春ちゃんが笑顔になってよかった。
やっぱり可愛いや」
「そ、んなこと…ないよ」
なんでこんなことばっかり言えるんだろう。
イケメンの余裕?
やっぱり私はいいカモだから、可愛いって言っとけばいいみたいな?
「…小春ちゃん」
「如月くん!なんで私がいいの!?」
怖かったけど、聞いてみなきゃ分かんない。
分かんなかったら上手く付き合える気がしないもん。
「小春ちゃんの笑顔に一目惚れしたんだ。それから目で追っちゃって、大好きになってた」