如月くんは私をひとりじめしたい
「小春ちゃんは僕のどこが好き?」
えっ。
どこって言われてもな…。
「ぜ、全部っ!」
如月くんは大笑いした。
「…っ、小春ちゃん、最高だよ。さすが好きになっただけあるな」
え、ええっ。
これでよかったのかな?
「ねぇ、安藤さん。本当に如月くんと付き合ってるの?」
「う、うん」
「どんな手を使ったの?」
「何もしてない…です」
「じゃあ、なんで好きになってもらったのよ!!うちらはアタックしまくったのに全敗だからねっ」
やっぱりそうなんだ…。
如月くんって今まで全ての告白を断ったらしいよね。
相当な美人が好き、とか。
実は彼女がいる、とか。
色んな噂がささやかれてたのに、私に告白してくるなんて思っても見なかった。
「小春ちゃん!ご飯食べよ」
「如月くんっ。今行くね」
今日は二人でベンチで食べることに。
「日差しが強いね」
「そうだね」
如月くんは弁当じゃなく、購買でパンを買っているようだ。
「小春ちゃんのお弁当、美味しそう!」
「そうかなぁ?あ、もし良ければ毎日作ろうか?」
「え、いいの?」
「うん!如月くんが喜んでくれるなら私も嬉しいもんっ」
「ありがとう、小春ちゃん!大好きっ」
抱きつかれ、あたふたしてしまう。
「……ほんと、独占したい」
何か言ったようだったけど、私には聞こえなかった。