如月くんは私をひとりじめしたい
私は所詮、如月くんの寂しさを紛らわす道具でしかない。
そう思っただけで涙が出てきた。
私、如月くんのこと本気で好きだったんだ。
私こそ如月くんと付き合った理由最悪なくせに泣く権利なんてないよね。
何となくモテてるから付き合おうってなっただけで最初は好きでも何でもなかった。
だけど、如月くんのことを知れば知るほど惹かれていって、今は大好きになっている。
「こ、はるちゃん……?」
「如月くん、私のこと……好き?」
「ああ、もちろんだよ。小春ちゃんだけは手放したくない」
「……私は如月くんの寂しさを紛らわす道具じゃない」
「……へ?」
「私は如月くんの本当の“好き”になりたいのっ!!」
如月くんから離れると走って校舎まで行った。
一向に追いかけてくる様子はない。
やはり、私は如月くんにとってそれだけの存在だったのだ。
それがすごく悔しくて……すごく虚しかった。