如月くんは私をひとりじめしたい

あれからどれぐらいの時間が経っただろう。

賑やかな声も消え、後片付けの音が響いていた。

私、如月くんと別れることになるのかな?

そんなことばかり考えていた。


「見つけた…!」


後ろからいきなり抱きしめられた。

ゆっくり振り返ると、如月くんが抱きしめてくれていた。


「小春ちゃんは僕のこと何も分かってない」

「分からないよ」



「僕の好きは最初から本当の好きだよ。小春ちゃんを寂しさの穴埋めなんかにしてない。小春ちゃんが好きなんだよ」

「………ひっく」

「365日、1分1秒、どんなときでも小春ちゃんのことしか考えてない。そんな僕が穴埋めで小春ちゃんを愛せないよ」

「…ううっ……」
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