如月くんは私をひとりじめしたい


ケーキでも作ってみようかな。

でも、私は手先が器用じゃないし上手くいくとは思わない。

ここは無難にケーキ屋でデートする?

いや、さすがにそれはダメだ。

せっかくの誕生日だし、なんか記念に残るようなものにしたいよね。


「おーい、小春ちゃん!」


こちらに歩いてきたのはさっきまでいちゃついていた笹山くんだった。


「もう、まだ言うことあったのに勝手に行かないでよ」

「ごめん」


元はと言えば笹山くんたちがいちゃついていたから気を聞かせたというのに。


「如月っちはさ、1回も誕生日を祝ってもらったことがない奴なんだ。だから、誕生日自体にいい思い出を持ってないわけ。小春ちゃんが如月っちの誕生日の印象を変えてやって」

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