虹色の恋~私の心の扉を開いたのは君でした。~
バレンタインの次は、ホワイトデー。

安井の事だから、皆なにかえすんだろう。
考えただけで、何故か、嫌な心をわかしてしまう。

やっぱり、安井の事がわかんないや。

田中くんは、いつも、変わらずの笑顔と優しさを向けてくれて、私を待ってくれる。

田中くんもバレンタインもらってるはずなんだけど、
今日は、田中くんといたいな。

「貰ったの待てなくて食べたよ。
美味しかった!。」

「えっ?食べたんだ。笑笑」

背が高くて、いつも落ち着いた彼なのに、
虫が苦手だったり、ほうばる彼が可愛らしくて。母性をくすぐる。

「気に入ってくれて、良かった。嬉しいよ。」

ダダダダ!

あの歩く音は、安井。

顔を見たくない。。

安井は、私を睨んできた。

「何?」

聞いても、何も言わず、私の目の前に立ちはだかる。

まぁ、よくある。いつもの事。

「ほら。やる。」

差し出したのは、バレンタインらしき箱?

あぁ。沢山貰ったから食べきれなくて。。か。。

「いらない。食べたら?」

「なんで?」

「?なんで?って。。いらないから。」

「これ、俺が買ってきたやつ!高木だけに。」

「え?」

バレンタインは、ある意味
好きな人に渡すんだよね。。

私の事好きって告白?

「えっ??あ。。ありがとう〜。」

私は、受け取った。

「高木にだけ。だから。」

嬉しい。。

「そうなんだ。。ありがとう。」

だけど、ホワイトデーは、皆んなにかえすんだろうし。
先にもらうか、あとから貰うかの違い?

そう思うと、喜びはスーッと消えていく。

「俺、貰ってない。」

「あっ。。何が?」

とぼけてみた。

また、睨んでくる。。

「私からはないから。。」

「なんで?」

「沢山貰ったんだからいいじゃない。
私のからなくても。」

「俺、結構モテるんだよな〜」

嬉しそうに。鼻の下が伸びてるんじゃないの?
なんだか、疲れる。

「良かったね。私、田中くんと用事あるからごめんね。バイバイ。」

私は、やっぱり、安井とは、友達でいよう。もう、安井なんてどうでもいいや。

「田中くん、時間ある?ちょっと一緒に手伝って欲しい事が。。」

「いいよ。」

「ありがとう〜!」

安井の目の前で、私は田中くんといたいんだアピールをして、田中くんに近づいた。

「良かったの?僕で。安井とじゃなくて。」

「うん。。別に私、彼女じゃないし。」

「えっ?そうなの?あれから
二人は付き合ったのかな?って思ってたから。」

「よくわかんないんだ。。私、」

「…そっかぁ。じゃぁ。。僕と付き合わない?」

「えっ?」

「まだ、安井と付き合ってないなら、俺と付き合わない?」

…急な展開に頭がまわらない。

「急だったから。返事はまたいつでも。
考えててよ。僕は、高木さんと付き合いたい。好きだよ。僕は、高木さんが、好きだよ。」

告白だよね?好きって。。
また、久しぶりの細胞が、身体が喜ぶのがわかる。
私は、田中くんの事がやっぱり
好きなのかも。

安井は、刺激があって。好きなんだと心が
誤解をしていただけなのかも。。しれない。

田中くんといると、胸がいたくなったり。
苦しくなんて。そんな事ならない。

嬉しくて、楽しくて、顔が笑顔になれる。
これが、好きってことなのかな?

「ありがとう!嬉しい!。。田中くんといると、ホッとしてくる。二人でいると、嬉しくなるんだよ。」

…そう、二人でいると。安井が来なければ。安井の姿を見なければ。。。

そんなことを考えてしまう。


「ちゃんと考えて返事するね。」

ニコッと笑ってうなずいてくれた。

私は、少しハニカミながらうなずいた。





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