松菱くんのご執心
「どうも」
と愛想の欠けらも無い挨拶をするが、それをもろともせずに、いそいそと向かいに座った。
「俺、今そういう気分じゃないんで、他所に行ってもらっていいですか」
「みかさちゃんと秀一、付き合っちまったもんなあ。
好きだったんだろ? みかさちゃんのこと」
「え、なんで」
知ってるんだ。
デリカシーの欠けらも無い。
というか、この人は、相席のマニアか何かなのか。
「ただの勘」
今、その勘は鋭利なナイフよりも鋭い刃となって刺さった。
傷口に塩といってもいい。俺は別に聞かれてもない話を三木さんに話し始める。
「告る前に振られたんですよ。
俺はずっとみかさのそばに居たのに、後から登場した松菱に全部、
そっくりそのまま持ってかれたし」
「残念だったな」
「もっと気の利いた言葉をかけてくれてもいいんじゃないですか」
と愛想の欠けらも無い挨拶をするが、それをもろともせずに、いそいそと向かいに座った。
「俺、今そういう気分じゃないんで、他所に行ってもらっていいですか」
「みかさちゃんと秀一、付き合っちまったもんなあ。
好きだったんだろ? みかさちゃんのこと」
「え、なんで」
知ってるんだ。
デリカシーの欠けらも無い。
というか、この人は、相席のマニアか何かなのか。
「ただの勘」
今、その勘は鋭利なナイフよりも鋭い刃となって刺さった。
傷口に塩といってもいい。俺は別に聞かれてもない話を三木さんに話し始める。
「告る前に振られたんですよ。
俺はずっとみかさのそばに居たのに、後から登場した松菱に全部、
そっくりそのまま持ってかれたし」
「残念だったな」
「もっと気の利いた言葉をかけてくれてもいいんじゃないですか」