松菱くんのご執心
エピローグ
───松菱くんの煩悩───
俺の心の中を知ったら、みかさは絶対怖がるだろうな。
だって、ずうっとみかさの事ばかり考えて頭から離れないんだ。
出会った瞬間から、ずっとだ。
そんなの怖いだろ、自分の姿を思い浮かべては、
「可愛い」「抱きしめたい」「独り占めにしたい」って、
思い続けられるんだぜ?
ああ、でも、みかさにそんな風に思われてたら俺は幸せだな。
「聞いてた? ………ちょっと、僕の話には興味ないって?」
岡野が眼鏡をクイッとあげる。
「ああ、ごめんごめん」
「どうせ、愛しの白羽根さんの事を考えてたんだろうけど」
「……」
俺は黙って窓の外に視線を逸らす。だったら悪いかよ。
「こんなに分かりやすい図星ってあるんだ」