松菱くんのご執心
「悪かったな。で、何の話だった?」
「いいよ。たいした話じゃないし」
俺たちは家の近くの静かな喫茶店で、休憩をしていた。
にしても、やっぱりみかさは可愛いいなあと、隙あらば思い出す。
それを知ってか知らずか岡野はタイミングよく言った。
「あの衝撃の告白から、もう周りの目はお構いなしだね」
「別にいいだろ、彼女だし。俺に駆け引きなんて器用なこと出来ねえ。
………それに、元から悪目立ちしてたんだから周りの目なんて今更、気にする必要ない」
「大胆だよねえ。僕にはそんな所業真似できっこないよ」
俺は昨日の事を少しだけ振り返る。