松菱くんのご執心


 まず朝いちばんに、というか既に昼前なのだが、ふつふつと沸いてくる「抱きしめたい」衝動にかられ、



「おはよう」と挨拶をするなり真っ先にみかさに抱きついた。



「うわあっ」


 驚いて、どぎまぎしているみかさも勿論、可愛い。
華奢な身体は俺の腕の中にすっぽり収まって、おまけに甘い匂いがする。



「あ、あの。松菱くん?」


「なに?」


「すごく、見られてるから、その……離してもらってもいいかな。凄く恥ずかしいの」


「ん、分かった」



 ちょっとだけ充電出来た。


少しだけ満足した俺は名残惜しいが、そっと離れる。
顔を赤らめて俯くみかさは綺麗で、髪の間から覗いたうなじに、吸い込まれるようにキスをした。



「ひゃっ」


 ビクッとみかさの身体が跳ねる。


「あ、ごめん。つい」


「ついって、ねえ」


 頬を膨らまし、俺がキスしたうなじを抑える。ああ、やばい、どうしよう。



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