松菱くんのご執心



おそらく私に向けられたであろう、その告白は翌日には学校内での公然の事実として定着していた。


「学校一の不良が白羽根さんに告白した」と学年関係なく広まっていたのだ。



 わたしが登校すれば、すれ違った担任に



「お前があの松菱と付き合うとはな。意外だったが、面倒見のいい白羽根だからなあ。納得も納得だ」


なんて祝福される始末だ。



 あ、訂正しておくが、わたしと松菱くんは付き合っていない。



 ただ、告白して吹っ切れたのか、松菱くんは恥ずかしげもなく、そして隠すことも無く、わたしに引っ付いて来るようになった。


あまりの腑抜けっぷりに、クラスメイトは唖然とした。


わたしも例外なく唖然とした。


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