松菱くんのご執心
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男女別の体育の時間、
「まあ、いいじゃん」と真結ちゃんは柔軟しながら言った。
「だってさ、松菱くんのイメージアップもして、みかさちゃんにも彼氏が出来た。どう考えてもオールオッケーだよね?」
開脚している足が避けてしまうんじゃないかと心配になるくらい私の背中を押してくる。
「付き合っていないんだよなあ。
あ、いたい、足裂ける」
わたしは嘆く。
「みかさちゃんはさ、どう思ってるの?」
「どうって」わたしは言葉に詰まる。
「だ、か、ら」
真結ちゃんは、マグロをぶつ切りにする勢いで、切れ味のある言葉をわたしに叩きつける。
「松菱くんが好きなのかってこと」
「え、ああ、そうだね」わたしは圧倒されながら、考えた。