松菱くんのご執心
つまり、愛情のおかげで喧嘩から足をあらった、と言いたいわけだ。
そして、松菱くんは続けてこう言った。
「俺は人生の黄金時代を過ごしてるんだ」
「黄金時代かどうかは分からないよ。
だってまだ先は長いし、もし今が黄金時代だとしたら、はるか先まで続いてるよ、きっと。
……だってもっと、楽しくなるってこれから」
「やけに自信満々だな」
「確信はないけど、自信はあるの。
……ところでさ、松菱くんは、今、学校たのしい?」
一瞬きょとんと目を瞬かせるが、
やがて、頷きおおらかな笑みを浮かべる。
「楽しいよ。だって、みかさがいるから」
「それは、良かった」