松菱くんのご執心
 メニュー表を差し出す。


「この中から選んでね」


「どれにしようかな。みかさのおすすめはどれ?」


「うーん。そうだね」

少し悩み、わたしはホットケーキとドリンクのセットを指さす。

「これかな。爽も甘いの好きだよね」



「昔はよくみかさが作ってくれてたね」


「そんな事もしてたね。
あ、でも今日は違うよ。調理担当の人が作ってくれるの。すっごく美味しいからおすすめだよ」


「じゃあそれ貰える? ドリンクはコーヒーで」


「かしこまりました」



 爽に敬語を使うのは違和感しかない。可笑しいなあと思い吹き出す。



「何笑ってるのさ」


「変な感じ」と呟いて、メモを調理班の所へ持って行く。



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